~「手術の日」から始まる、自立を支えるための大切な権利~
「長年の痛みから解放されるために手術を選んだけれど、これからの生活費や仕事が不安」
「わが子が若いうちに人工関節を入れることになった。
将来、自立して生きていけるだろうか」
人工関節の手術は、痛みを取り除く大きな一歩ですが、同時に日常生活や労働に一定の制限が残ることも事実です。障害年金は、そうした「不自由さ」を支え、あなたとご家族の未来を守るための公的な制度です。
① ご相談内容(よくあるお悩み)
股関節や膝の障害で相談に来られる方は、以下のような切実な状況や不安を抱えていらっしゃいます。
「手術をすればもらえるの?」:
変形性股関節症や膝関節症が悪化し、人工関節を入れる手術をした。手術をした事実だけで年金がもらえるのか知りたい。
「生活の不自由が消えない」:
手術で激痛は和らいだけれど、階段の上り下りがつらい、和式トイレが使えない、靴下を履くのが大変といった日常の制限が残っている。
「仕事への影響が不安」:
立ち仕事や重い物を持つ作業ができなくなり、事務職への配置転換や転職を余儀なくされた。
「20歳前の病気が原因」:
子供の頃の股関節の病気(先天性股関節脱臼など)が原因で、大人になってから手術をすることになった。保険料を払っていなかった時期だけれど大丈夫か。
② 社労士のアドバイス
人工関節の申請において、「3級」が原則認められます。
(厚生年金の場合):初診日に厚生年金に加入していた方であれば、人工関節を挿入置換した時点で、原則として障害厚生年金3級に認定されます。
しかし、「基礎年金」の場合はハードルが高い:
初診日が20歳前であったり、自営業などで国民年金のみ加入だったりした場合(障害基礎年金)、3級の設定がないため、「日常生活が著しく制限される2級」以上の状態でなければ受給できません。
この場合、単に手術をしただけでなく、術後の筋力低下や歩行困難さをいかに証明するかが鍵となります。
「1年6カ月」待たなくて良い特例:
通常、障害年金は初診日から1年6カ月経過しないと請求できませんが、人工関節の場合は「挿入置換した日」が障害認定日となり、その日からすぐに請求が可能です。
③ 裁定請求までの道のり(受給決定までのステップ)
初診日の特定と証明:
数十年前に初めて痛みを感じて受診した日が「初診日」となります。古い記録がない場合でも、診察券や手帳などの資料を駆使して証明を目指します。
医師への診断書依頼:
主治医に診断書を作成してもらいます。単に関節が動く範囲(可動域)だけでなく、「片足で立てるか」「屋外をどれくらい歩けるか」「立ち上がる動作はどうか」といった、実際の生活の実態を数値や文章で反映させることが不可欠です。
「病歴・就労状況等申立書」の作成:
発症から手術に至るまでの経過、手術後の今の生活で家族がどのような手助け(掃除や買い物の代行など)をしているかを詳しく記入します。
書類提出と審査:
すべての書類を揃えて年金事務所等へ提出します。約3カ月程度で審査結果が届きます。
④ 当該病気の特徴、申請の難しさ
人工関節特有の「壁」を知っておくことが、受給への近道です。
「数値」と「実感」のズレ:
リハビリが進み、検査で関節がよく動く数値が出ると、審査では「生活に支障なし」と見なされやすくなります。しかし実際には、「動くけれど力が入らない」「長く歩くと激痛が走る」といった症状があるはずです。これをいかに診断書に盛り込むかが最も難しい点です。
初診日の証明の壁:
変形性関節症などは、数十年かけてゆっくり進行するため、最初に行った病院がすでに廃院していたり、カルテが破棄されていたりすることが非常に多いです。
「2級」の壁(基礎年金・20歳前傷病の場合):
特に親御様にとって切実なのが、お子様が20歳前の病気が原因で手術をしたケースです。この場合、3級がないため、「杖なしでは歩けない」「家の中でも移動が困難」といった重い状態でなければ認定されないという厳しさがあります。
※最後に
「自分はもらえる条件に当てはまっている?」
「昔の病院の記録がないけれどどうしよう?」
少しでも不安を感じたら、まずは一度、私たちにご相談ください。 人工関節という新しい支えと共に、これからの人生を安心して歩んでいけるよう、私たちが全力でサポートします。