家族信託の費用は、なぜ業者によって2倍違うのか。
2026年10月21日 16:52
浦安の皆さま、こんにちは。浦安くらしサポートの南本です。
「家族信託っていくらかかるの?」
相談会で、いちばん多く聞かれる質問です。
で、私が「どこかに見積もりを取りましたか?」と聞くと、こんな答えが返ってきます。
「A社は80万円、B社は150万円って言われて……何が違うのか、さっぱりわからないんです」
答えから言います。家族信託の費用は、業者によって2倍以上違います。でも、それは「ぼったくり」か「安かろう悪かろう」の二択ではありません。中身の箱が違うだけです。
今日は、その箱を全部開けて見せます。そして最後に、当社の価格も全部出します。
まず結論 ― 総額の目安
家族信託の費用は、大きく5つの箱でできています。
箱 中身 目安
① コンサルティング報酬 設計・調査・調整の報酬 30〜100万円(資産額による)
② 信託契約書の作成 司法書士・弁護士の報酬 10〜20万円
③ 登記費用 不動産の名義変更(司法書士報酬) 8〜15万円
④ 公証人手数料 公正証書を作る費用 3〜8万円
⑤ 登録免許税・実費 税金、戸籍・謄本・郵送費など 数万〜30万円
合計すると、おおむね50万円台〜150万円台。不動産の評価額が大きいほど、⑤が増えます。
「80万円」と「150万円」の差は、たいてい①の設計報酬と⑤に何を含めているかです。
※南本からコメント
見積もりを見たら、まず「⑤に何が入っているか」を確認してください。ここが空欄の見積もりは、後から膨らみます。それと①のコンサルティング報酬 は要チェックです。ここがいちばん差がつく項目です。皆さんがある程度知識がないと専門家の言いなりになってしまいます。セカンドオピニョン的な立場の方を味方につけておいた方が良いと思います。
多くの事務所は「信託する財産の評価額」を基準に報酬を決めます。当社も同じ方式です。
信託する財産の評価額 コンサルティング報酬(税抜)
5,000万円未満 500,000円
5,000万円以上1億円未満 評価額 × 1.0%
1億円以上3億円以下 評価額 × 0.5% + 500,000円
3億円以上5億円以下 評価額 × 0.3% + 1,100,000円
5億円超 評価額 × 0.2% + 1,600,000円
この報酬に含まれるのは、次の5つです。
謄本・評価証明の収集
相続人の調査・確定(戸籍の収集、相続関係説明図の作成)
家族信託の設計コンサルティング
信託口座の開設手続きのサポート
導入後のフォロー
「相続人調査が入っていない見積もり」は要注意です。ここを「別途」にしている事務所は、後から10万円単位で追加請求が来ることがあります。「別途」については、すべて明確にしてください。曖昧にするようなら、こちらの情報をある程度開示して、金額を提示するように求めてください。
②③④⑤ 別にかかるもの 。ここを隠す見積もりは危ないです。
項目 内容 目安(税抜)
■信託契約書の作成 提携司法書士に委託 1契約書 150,000円
(公正証書作成・立会い・信託登記を含む)
■登記費用 不動産登記の司法書士報酬 1申請 100,000円
■任意後見契約書の作成 併用する場合 1契約書 150,000円
■公証人手数料 目的の財産価額に応じる。 3〜8万円
1億円以下なら13,000円加算
■登録免許税 信託登記は土地0.3%・建物0.4% 数万〜30万円
(信託による移転登記は非課税)
■実費 戸籍、不動産調査、謄本、郵送費、公証役場の実費 2〜5万円
総額シミュレーション ― 3つのパターン
項目
A: B: C:
自宅3,000万円 マンション 収益ビル+自宅1億円
+預金5,000万円
コンサル報酬 500,000円 500,000円 1,000,000円
契約書作成 150,000円 150,000円 150,000円
登記費用 100,000円 100,000円 100,000円
公証人手数料 39,000円 59,000円 75,000円
登録免許税 80,000円 100,000円 270,000円
実費 30,000円 30,000円 30,000円
合計 約90万円 約94万円 約163万円
同じ「家族信託」でも、90万円と163万円。これは決して、ぼったくりでも何でもありません。守る財産の大きさが違うだけです。
※南本からコメント
「うちは80万円でできるって言われた」
その見積もり、登記と公証人と登録免許税は入っていますか? 入っていなければ、総額では負けています。
浦安の事例で見る
★見積もりで損をした3つのパターン
※よくあるご相談をもとにした架空の事例です。
【事例1】入船のEさん ― 安いほうを選んで、作り直した
2社の見積もりはA社120万円、B社70万円。当然、B社に決めました。ところが届いた契約書は、銀行が「この内容では信託口座を作れません」と難色を示すものでした。結局、別の専門家に頼み直すことに。
最初に70万円、やり直しに90万円。合計160万円。A社に頼んでいれば、120万円で終わっていました。
→ 教訓:安さの理由を聞く。「なぜ他社より安いのですか?」と。
【事例2】当代島のFさん ― 「別途」が3回やってきた
見積もりは55万円。安いと思って契約しました。ところが契約後に、「戸籍の収集は別途です」(+8万円)、「公証役場の実費と立会いは別途です」(+5万円)、「登記は別の司法書士になります」(+12万円)。
最終的な総額は80万円。見積もりには「別途」の文字が3か所ありました。Fさんは、その意味を説明されていませんでした。
→ 教訓:「別途」の文字を数える。1つあったら、総額を書いてもらう。
【事例3】美浜のGさん ― 要らないオプションを外して、20万円下げた
資産は預金中心で、不動産は住んでいるマンションだけ。なのに見積もりには、任意後見契約書(15万円)、死後事務委任契約(22万円)が並んでいました。ご夫妻はまだお元気で、施設入所の予定もなし。いま必要なのは、マンションと預金の管理だけでした。
そこで、任意後見と死後事務は今回は見送り、必要になったときに検討する方針に。総額は20万円以上下がりました。
→ 教訓:「今必要なもの」と「将来必要になるもの」を分ける。
削れる費用と、削ってはいけない費用
削れる費用 削ってはいけない費用
■今は使わないオプション 契約書の作成
(任意後見・死後事務など) (ひな形は絶対にダメ)
■使わない予定の口座の開設 相続人調査(戸籍の確認)
■過剰な部数の謄本 公証人による公正証書
■立会いの回数(必要最低限に) 銀行との事前調整
右側を削ると、後で何倍にもなって返ってきます。事例1のEさんが、まさにそれでした。
見積もりを取るときに、必ず聞く7つの質問
「この金額は税込ですか、税抜ですか?」
「総額はいくらですか? 『別途』は何を指しますか?」
「相続人調査と戸籍の取得は入っていますか?」
「公証人手数料と登録免許税は、この見積もりに入っていますか?」
「信託口座を作る銀行は、もう決まっていますか? 事前に相談してもらえますか?」
「途中で追加になるのは、どんな場合ですか?」
「契約後のフォローは、いつまで、何回まで含まれますか?」
この7つに、すらすら答えられる専門家なら大丈夫です。言葉を濁す専門家は、避けたほうが無難です。
まとめ !!「安い」より「中身が見える」を選ぶべし
家族信託の費用は、決して安い買い物ではありません。でも、これは「費用」ではなく「投資」です。認知症になった後、家族が何年もかけて払う時間とお金を、先に用意しておくためのものです。投資なのである程度は覚悟が必要です。だからこそ、大事なのは「安いかどうか」ではなく「中身が見えるかどうか」。目利きするために、近しい専門家を抱えておくことも大事です。
当社が価格表を公開しているのも、そのためです。「いくらで、何をして、何が別途か」を、契約の前に全部お見せする。それが、浦安で25年暮らしてきた私の、せめてもの誠意です。
相続や終活は、「知識」があれば怖くありません。そして、金額の内訳を知ることも、立派な知識です。
浦安くらしサポート株式会社 代表取締役 南本 静志 (社会保険労務士・中小企業診断士・相続診断士・FP2級・宅地建物取引士)
【お問い合わせ・無料相談会】[090-1265-0006・boss@neko-smile.jp]
【Lineによる個別相談】 →→ https://lin.ee/RzWJd9I
※本記事は2026年10月時点の一般的な情報です。
個別の判断は、司法書士・弁護士・税理士などの専門家にご相談ください。
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